2011年02月19日

環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)私訳 『第10章 知的財産』

先日のエントリーに書いたとおり、TPPメインアグリーメントの私訳文を公開します。
今後の公開は必要に応じて行いますので順不同になると思います。
また、各章の分量も多いので、場合によっては章を分割して公開する場合も御座いますのでご了承下さい。

注)この訳文は当ブログ独自で行ったものです。
   著作権は放棄しませんが、非商用のみ自由引用とします。
   引用する場合、トラブル防止の為必ず出典を明記して下さい。






環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)『第10章 知的財産


■第1条 定義

 この章において、

・TRIPS協定 TRIPS Agreement
   は、WTO協定の一部である「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定」を意味する。

・知的財産 Intellectual property
   は、TRIPS協定の第二部の第一節から第七節の主題である知的財産の全分類を表す。つまり、著作
   権及び関連する権利・商標・地理的表示・工業意匠・特許・集積回路の回路配置・未公開情報の保護
   である。(この章において、「知的財産」は、植物多様性の保護も含む)



■第2条 知的財産原則

1 加盟国団は、経済的・社会的発展の促進における、特にデジタル社会と技術革新、そして貿易での、
  知的財産の重要性を認識する。

2 加盟国団は、保護対象に関して、社会及び利用者の正当な利益と権利者の権利の間でバランスを取る
  ことの必要性を認識する。

3 加盟国団は、次のことを追求する知的所有権の管理体制と制度の維持に尽力する。それは、

  (a) 思想・技術・創造的作品の普及を通して、国家間取引及び経済的・社会的発展を円滑にすること。

  (b) 知的財産の権利者と利用者のために、知的所有権の保護と行使に関する確実性を提供すること。

  (c) 特に知的所有権を侵害する産品の貿易を排除することを目的として、知的所有権の行使を容易に
     すること。



■第3条 一般的規定

1 加盟国団は、TRIPS協定と、彼らが参加している、知的財産に関係するその他の多国間協定に
  基づき、お互いに対して、その既存の義務と権利を支持する。この目標に向かって、この章のなに
  ものも、TRIPS協定又は他の多国間の知的財産協定に基づき、加盟国団がお互いに対して持つ
  既存の権利と義務を損なわない。

2 当該措置がこの協定と一致することを条件に、この章のなにものも、権利者による知的所有権の乱用、
  又は不当に貿易を制限したり、技術の国家間移転に悪影響を及ぼすような方法に訴えることを阻止
  するための適切な措置を、加盟国が採択することを阻害しない。特に、この章のなにものも、知的所有
  権の乱用から起こるだろう反競争的慣行を阻止するために必要な措置を、加盟国が採択することを阻
  害しない。

3 各加盟国の国際的義務を前提とし、加盟国団は、自身らに以下のことが可能であると確約する。
  それは、

  (a) 知的所有権の国際消尽を規定すること。

  (b) 標準形式の、契約交渉なき製品用ライセンスの規定は、消費者が、国内の知的財産法に認めら
     れる制限及び例外を行使することを阻害しないと定めること。

  (c) 技術的措置が適用されている場合に許された行為の実行を容易にする規定を定めること。そして、

  (d) 伝統的知識を保護するための適切な措置を定めること。

4 加盟国団は、著作権に関する世界知的所有権機関条約(WCT)と、実演及びレコードに関する世界
  知的所有権条約(WPPT)に従うレコード製作者及び著作権保有者に、公衆送信権と複製権を認め
  る。加盟国団は、TRIPS協定に従って実演者の権利を定める。加盟国団は、文学的及び美術的著
  作物の保護に関するベルヌ条約・TRIPS協定・WCT・WPPTに基づいて、適用可能な制限及び例
  外を国内法に設けることができる。これらの規定は、デジタル環境において適切な、新規の例外や
  制限を考案することを、加盟国に許可するよう理解される。

5 TRIPS協定に基づく義務を前提に、各加盟国は、他の加盟国の実演者・レコード製作者・放送機関の
  権利を、その人々が他の加盟国の管轄内で認められている権利まで制限できる。



■第4条 商標

1 各加盟国は、利害関係者に、商標の適用に反対し、登録済み商標の取消しを要請する機会を与える。

2 商標に関して、加盟国団は、「標章の登録のための商品及びサービスの国際分類に関するニース協定
  (1976)」の分類に従い、産品及びサービスを分類するよう奨励される。



■第5条 地理的表示

1 第10章附属書Aに列挙する表現は、TRIPS協定第22条(1)の意義の範囲内で、加盟国各自のぶど
  う酒及び蒸留酒のための地理的表示として認識される。国内法を前提とし、TRIPS協定と一致する方
  法で、当該表現は、その他の加盟国の領域で、地理的表示として保護される。
  (より確かにすると、加盟国団は、その地理的表示が、各自の国内法に示される諸条件によって、又そ
   れらに準じて許される範囲でのみ、ブルネイ・ダルサラーム、チリ、ニュージーランド、そしてシンガ
   ポールで承認され、保護されるということを認める)

2 加盟国の要請に応じて、委員会は、第10章附属書Aからの地理的表示の削除又は追加を決定
  できる。



■第6条 国名

 加盟国団は、産品との関連で加盟国の国名が、当該産品の原産地について消費者を誤認させるような方法で商業利用されることを防ぐための法的手段を、利害関係者に提供する。



■第7条 協力

 加盟国団は、第10章第2条に示す原則に従って、協力することに合意する。当該協力に含めることができるのは、特に、

  (a) 知的所有権の行使のための連絡窓口の通知。

  (b) 各自の外庁の知的財産に関する政策の進展に関する情報交換。当該進展は、デジタル著作権
     管理情報の適切な保護に関する措置の履行と、著作権法に基づく適切な制限及び例外の履行を
     含むことができるが、これらに限らない。

  (c) 知的所有権の効率的な登録を促すことを目的とした、知的所有権制度の履行に関する情報交換。

  (d) 執行機関や教育機関及び知的所有権の分野に関心を持つその他の組織を含む、各自の外庁の
     間の連絡と協力の発展の促進。

  (e) 多国間地域フォーラムでの、知的財産に関する新たな取組みについての政策対話。

  (f) 知的所有権と制度の認知を促すための適切な取組みに関する協力と情報交換。そして、

  (g) 加盟国間で相互に決定できる他の活動及び取組み。




■補遺A 地理的表示のリスト

チリの地理的表示のリスト

原産地呼称名(ワイン)

Valle de Aconcagua
Alhue
Valle del Bio Bio
Buin
Valle del Cachapoal
Valle de Casablanca
Cauquenes
Chillan
Chimbarongo
Valle del Choapa
Coelemu
Valle de Colchagua
Valle de Copiapo
Valle de Curico
Region de Aconcagua
Region de Atacama
Region de Coquimbo
Valle del Claro
Region del Sur
Region del Valle Central
Valle del Elqui
Valle del Huasco
Illapel
Isla de Maipo
Valle del Itata
Valle de Leyda
Valle del Limari
Linares
Valle del Loncomilla
Valle del Lontue
Lolol
Valle del Maipo
Maria Pinto
Valle del Marga-Marga
Valle del Maule
Marchigue
Valle del Malleco
Melipilla
Molina
Monte Patria
Mulchen
Nancagua
Ovalle
Paiguano
Pajarete
Palmilla
Panquehue
Parral
Pencahue
Peralillo
Peumo
Pirque
Portezuelo
Puente Alto
Punitaqui
Quillon
Rancagua
Valle del Rapel
Rauco
Rengo
Requinoa
Rio Hurtado
Romeral
Sagrada Familia
Valle de San Antonio
San Juan
Salamanca
San Clemente
San Fernando
San Javier
San Rafael
Santa Cruz
Santiago
Talagante
Talca
Valle del Teno
Valle delTutuven
Traiguen
Vicuna
Villa Alegre
Vino Asoleado
Yumbel

原産地呼称名(蒸留酒)/国

Pisco/チリ


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2011年02月17日

環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)私訳 『第16章 戦略的連携』

先日のエントリーに書いたとおり、TPPメインアグリーメントの私訳文を公開します。
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注)この訳文は当ブログ独自で行ったものです。
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環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)『第16章 戦略的連携


■第1条 定義

 この章において、第一次産業は、農業・漁業部門(食品及びその派生物の生産・収穫・加工・製造活動を含む)そして林業部門における活動を包含する。



■第2条 目的

1 加盟国団は、加盟国間の戦略的経済連携を構築するために、この協定の恩恵を強化し拡大する手法
  として、二国以上の加盟国の間に協力の枠組みを設けることに合意する。


2 加盟国団は、緊密な協力関係を築くこととなるが、その狙いは“特に、”

  (a) 加盟国間の現行の協力関係(革新、調査研究及び開発に焦点を合わせたものを含む)を
     基礎とし強化すること。

  (b) 革新と競争力の促進、貿易と投資のための新たな機会を創出すること(公共・民間部門の
     関与を含む。)

  (c) 相互的な経済成長と開発を奨励するための戦略的提携の構築と促進における民間部門の
     重要な役割を支援すること。

  (d) アジア、太平洋及びラテンアメリカの各自の市場における、各々の産品及びサービス、
     そして加盟国団のプレゼンスを後押しすること。そして、

  (e) 相互利益となる分野での加盟国間の共同作業を深め、その水準を上げることである。



■第3条 範囲

1 加盟国団は、この協定の原則及び目的の実行への貢献における経済、科学、技術、教育、文化そして
  第一次産業の協力に与えられた特別な配慮を伴う、全ての形式の協力の重要性を支持する。加盟国
  間の協力は、加盟国団が合意するその他の分野まで拡張できる。

2 協力可能な分野は、実施協定を通して策定されることとなる。

3 加盟国間の協力は、加盟国団の関係に付加価値を与えることが可能な革新的協力プログラムの策定
  と一体化を通して、環太平洋戦略的経済連携協定の目的を達成することに貢献すべきである。

4 この章に基づく加盟国間の協力は、この協定の他の章に示す加盟国団の中の協力や共同活動を
  補うこととなる。



■第4条 経済協力

1 経済協力の狙いは、

  (a) 貿易・経済協力のために既に実施されている現行の協定や取り決めに基づいて事を進め、

  (b) 加盟国間の貿易経済関係を強化・進展させることである。


2 1における目的を追求する中で、加盟国団は次の活動を、必要に応じて奨励し円滑化することとなる。
  なお、活動は次の事項を含むが、それらに限定されない。

  (a) 加盟国間の産品及びサービスの貿易を拡大・促進するための方法に関する見解と情報の定期的
     交換及び政策対話。

  (b) 重要な経済・貿易問題と、経済協力の推進を妨害するものに関する、相互の逐次報告。

  (c) 関係機関の支援と知識による、互いの国を訪れる貿易使節団及びビジネスパーソンへの設備と
     援助の提供。

  (d) 加盟国各自のビジネス業界の間の経験の交換及び対話の支援。

  (e) 事業協力、産品及びサービスの貿易、投資及び政府調達の機会を見出し情報を提供するための
     仕組みの開発及び確立。

  (f) 経済的利益の分野での公共部門と民間部門、あるいはその一方の活動の活性化及び円滑化
     (第三市場における機会の探求を含む。)そして、

  (g) 第12回APEC首脳会議による合意の通りに、学習過程を支援するための情報技術ツールの使用
     における、そして、中小企業用の道具としての、英語及び他の言語の使用を促進するための共同
     作業。



■第5条 調査研究、科学及び技術における協力

1 全加盟国の相互利益において、そして加盟国団の方針、特に調査研究に由来する知的財産利用の
  に関する方針に従って実行される調査研究、科学及び技術における協力の狙いは、

  (a) 調査研究、科学及び技術における協力のために既に実施されている現行の協定や取り決めに
     規則基づいて事を進めること。

  (b) 互いの国の政府系機関、研究機関、大学、私企業及び他の研究組織に、本協定の枠組内で共同
     の活動、プログラム又はプロジェクトを支援する直接の取り決めを結ぶよう、必要に応じて促す
     こと。そして、

  (c) 相互補完的利益が存在する部門に向けた共同活動に焦点を合わせることである。


2 1の目的を追求するなかで、加盟国団は次の活動を、必要に応じて奨励し円滑化することとなる。
  なお、活動は次の事項を含むが、それらに限定されない。

  (a) 研究センターと大学(大学院共同研究及び調査研究滞在を奨励する)と協議しての
     戦略の明確化。

  (b) 科学者、研究者及び技術者の交換。

  (c) 文書資料及び情報の交換。

  (d) 画期的な製品とサービスの開発を支援する公共・民間部門の連携の促進。そして、

  (e) 相互に利益がある分野の地域・他政府・非政府フォーラムにおける協力。



■第6条 教育

1 教育協力の狙いは、

  (a) 教育における協力のために既に実施されている現行の協定や取り決めを更に拡大すること。

  (b) 加盟国間の教育分野における、仕事上の緊密な関係と相互理解、そしてネットワークの形成を
     促進すること。


2 1における目的を追求する中で、加盟国団は、例えば次のような領域における、各自の教育関係機関、
  機構、組織の間の交流を、必要に応じて奨励し円滑化することとなる。その領域とは、

  (a) 教育の質保証作業。

  (b) あらゆるレベルでのオンライン・遠隔教育。

  (c) 初等・中等教育制度。

  (d) 高等教育。

  (e) 技術教育及び職業訓練。

  (f) 技術訓練及び職業訓練のための産業連携。そして、

  (g) 教員の訓練及び向上。


3 教育における協力で重点的に取り組むことができるのは、

  (a) 例えば、教材及びカリキュラム材料、補助教材、そして実習用材料、加えて関係する特定の展示
     会及びセミナーの開催のような情報の交換。

  (b) 合意した分野での対象となる活動の共同調整、そしてプログラム及びプロジェクトの共同計画
     及び実行。

  (c) 修士課程研究と博士課程研究に渡る、共同研究・開発そして協同訓練の発展。

  (d) お互いの利益となるプログラムに関係する教員、管理者、研究者及び生徒の交換。

  (e) 資格の相互認証の可能性及び履修単位互換に関する高等教育機関の間の議論に繋がる
     可能性のある、資格の評価及び解釈に関連する情報を含む各加盟国の教育制度及び方針への
     理解の獲得。

  (f) 職業教育及び訓練における指導者と教師の専門能力開発、評価及び学習を支援するための
     画期的な質保証の源の開発に関する協力。そして、

  (g) 教育における官民あるいはその一方の投機的事業発展の奨励と円滑化。



■第7条 文化協力

 文化協力の狙いは、

  (a) 文化協力のために既に実施されている現行の協定や取り決めに基づいて事を進め、

  (b) 加盟国間で実践及び情報交換を促進することである。



■第8条 第一次産業


1 全加盟国の相互利益において、そして加盟国団の方針に従って実行される第一次産業における協力の
  狙いは、

  (a) 農業及び林業での協力のために既に実施されている現行の協定や取り決めに基づいて事を
     進めること。

  (b) 各国の第一次産業部門の間の更なる理解を奨励し促進すること。

  (c) 互いの国の政府系機関、研究機関、大学、私企業及び他の研究組織の間の技術協力及び科学
     知識の発展を必要に応じて促し、本協定の枠組内で、共同の活動、プログラム又はプロジェクト
     を支援する直接の取り決めを結ぶよう、必要に応じて促すこと。

  (d) 相互補完的利益が存在する部門に向けて共同活動を進めること。そして、

  (e) 商業上の連携(第三国における共同事業計画を含む)を促進し、貿易を発展させ、第一次産業
     部門の国際貿易の自由化を促進すること。


2 1の目的を追求するなかで、加盟国団は第一次産業部門における次の活動を、必要に応じて奨励し
  円滑化することとなる。なお、活動は次の事項を含むが、それらに限定されない。

  (a) 交流機会の拡大を奨励すること。

  (b) 情報、アイディア及び調査研究の交換を促進すること。

  (c) 第一次産業部門を開発するために、調査研究関連を含む、共同の投機的事業及び特定産業の
     交流を奨励すること。

  (d) 第一次産業部門の領域における繋がり(多分野・多制度の学位過程の調査を通した繋がりを
     含む)を強化するよう自国の大学に奨励すること。そして、

  (e) 教育サービス及び他の活動に関係する第一次産業部門の振興を奨励すること。


3 第一次産業部門における協力を促すために、加盟国団はまた、以下の活動に向けて邁進することとも
  なる。それは、

  (a) 第一次産業部門製品の貿易に関する国際規則の執行及び順守を促進すること。

  (b) 加盟国団の第一次産業部門に関わる政策決定における国民参加及び透明性を促進すること。
     そして、

  (c) 第一次産業部門における協力の有効性の妨げとなる問題を明らかにし解決すること。



■第9条 協力の仕組み

1 加盟国団は、あり得る協力活動に関する連絡を円滑にするための連絡窓口を指定することとなる。
  連絡窓口は、本章の運用において、政府系機関、民間企業代表者及び教育・研究機構と連携する
  こととなる。


2 加盟国団は、協力の仕組みが以下のような形式を取ることに合意する。

  (a) 利益となる協力分野について議論するための委員会定例会議。

  (b) 主題となる分野での緊密な協力の促進を助けるために、加盟国の関係機関(関係政府機関や
     クラウン・リサーチ・インスティチュート及び大学を含むがそれらに限定されない)の間で必要と
     される会議。


3 加盟国団は、本協定に沿った協力と対話を促進するために、外交ルートを最大限活用することとなる。



■第10条 非加盟国との協力

 加盟国団は、持続的開発促進のための国際協力の価値を認識し、非加盟国との、相互に利益のある事業計画の展開に、必要に応じて合意する。



■第11条 資源

 本協定の協力目的の達成に貢献することを目的として、加盟国団は、自国の生産能力の限度内で、自国の経路を通じて、適切な資源(財源を含む)を提供することを約束する。



■第12条 協力事項における委員会の特別な機能

 第17章第2条(委員会の機能)の規定に関わらず、委員会は、特に次の機能を持つ。

  (a) 加盟国団が合意する協力の枠組みの実行の監督。

  (b) 加盟国団が合意する協力の枠組みに基づく協力活動への着手の加盟国への奨励。

  (c) 加盟国の戦略的優先順位に従った、本章に基づく協力活動に関する勧告。そして、

  (d) 各加盟国からの定期報告を通した、本章の運用とその目的の適用及び達成の審査。



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2011年02月15日

環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)私訳 『第20章 最終規定』

先日のエントリーに書いたとおり、TPPメインアグリーメントの私訳文を公開します。
今後の公開は必要に応じて行いますので順不同になると思います。
また、各章の分量も多いので、場合によっては章を分割して公開する場合も御座いますのでご了承下さい。

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   著作権は放棄しませんが、非商用のみ自由引用とします。
   引用する場合、トラブル防止の為必ず出典を明記して下さい。






環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)『第20章 最終規定


■第1条 投資交渉

 別段の合意のない限り、この協定の発効から最低でも2年後、加盟国団は、相互利益を基盤に、この協定に投資に関する章を盛り込むことを目的として、交渉を開始する。



■第2条 金融サービス交渉

 別段の合意のない限り、この協定の発効から最低でも2年後、加盟国団は、相互利益を基盤に、この協定に金融サービスに関する、それのみで完結した章を盛り込むことをを目的として、交渉を開始する。



■第3条 署名

1 この協定は、ブルネイ・ダルサラーム、チリ、ニュージーランド、そしてシンガポールによる署名のために
  開放し、2005年6月15日から6ヶ月間、署名のために開放しておく。

2 この協定は、署名国による批准、受諾又は承認を前提とする。



■第4条 効力発生

1 この協定は、批准書、受諾書、又は承認書を寄託した署名国に対して、2006年1月1日から効力を発
  生する。ただしその日付までに最低でも二ヶ国の署名国が当該証書を預託していることが条件である。

2 2006年1月1日以前に、ただ一国の署名国のみが批准書、受諾書、又は承認書を寄託している場合
  には、この協定は二番目の当該証書の寄託から30日後に効力を発生する。

3 2006年1月1日以降に批准書、受諾書、又は承認書を寄託する署名国に対しては、協定は、当該証
  書が寄託された日付の30日後に効力を発生する。



■第5条 ブルネイ・ダルサラーム

1 2から6を前提とし、この協定は、2006年1月1日、もしくはこの協定の暫定的な適用を受諾する証書
  の預託の30日後、どちらか遅い日から暫定的に適用される。

2 1に言及する暫定的な適用は、第11章(政府調達)及び第12章(サービスの貿易)には適用しない。

3 もしも、ブルネイ・ダルサラームが競争法を整備し、競争庁を設置するなら、第9章(競争政策)の義務
  は、ブルネイ・ダルサラームにのみ適用可能となる。上記に関わらず、ブルネイ・ダルサラームは、競
  争と規制改革を促進するためのAPEC原則を順守する。

4 委員会がそれより後の日付に別途に合意しない限り、第20章第4条の1又は2に従い、この協定の効
  力発生から2年後までに、委員会は、第11章(政府調達)及び第12章(サービスの貿易)に基づく、
  ブルネイ・ダルサラームのための附属書を受諾するかどうか検討する。

5 4に言及する、附属書を受諾する委員会決定に関して、ブルネイ・ダルサラームは、委員会決定の
  2ヶ月以内に批准書、受諾書、又は承認書を寄託する。協定は、当該証書の寄託の30日後に、
  ブルネイ・ダルサラームに対して効力を発生する。

6 委員会が別段の決定をしない限り、もしも4又は5の条件が満たされなければ、協定はそれ以上、
  ブルネイ・ダルサラームに対して暫定的に適用されない。



■第6条 加盟

1 この協定は、APEC参加エコノミーや他の国による、加盟国間の合意を条件とした加盟に対して開放さ
  れている。当該加盟の条件は、そのAPEC参加エコノミーや他の国の、特に自由化の日程に関する、
  状況を考慮に入れる。

2 加盟条件の合意は、当該条件の受諾又は承認を示す加盟書を受託者へ寄託した日付から30日後に
  効力を発生する。



■第7条 改正


1 加盟国団は、この協定への追加もしくは改正に同意できる。

2 各加盟国の適用可能な法的手続きに従い合意及び承認された場合、改正又は追加は、この協定の
  不可欠な一部を構成する。

3 もしも、加盟国団がこの協定に盛り込んでいるWTO協定の規定が修正されるなら、加盟国団は、
  この協定を修正するかどうかに関し協議を行う。



■第8条 脱退

 いずれの加盟国もこの協定から脱退できる。当該脱退は、受託者が文書による脱退の通知を受け取った日付から6ヶ月を期限に効力を発生する。加盟国が脱退する場合、協定は残りの加盟国団に対して効力を持ち続ける。



■第9条 受託国と機能

1 この協定の原本は、これにより、この協定の受託者として指定するニュージーランド政府に寄託される。

2 受託者は、この協定の認証謄本及び修正条項を、全締約国と、加盟を決定しているAPEC参加エコノ
  ミー及び他の加盟決定国に伝送する。

3 受諾者は、全締約国と、加盟を決定しているAPEC参加エコノミー及び他の加盟決定国に以下を通知
  する。

  (a) 第20章第3条、同第4条及び第6条に従ったこの協定への各署名・批准・受諾・承認又は加盟。

  (b) 第20章第5条に従った暫定的な適用を受諾する証書。

  (c) 20章第4条、同第5条及び第6条に従いこの協定が効力を発生する各自の日付。そして、

  (d) 第20章第8条に従い受理される脱退通知。

4 この協定の発効に続き、受託者は、国際連合憲章の第102条に従い、登録及び公示のために、国連
  事務総長に、この協定の認証謄本を伝送する。受諾者は同様にして、効力を生じる修正条項の認証
  謄本を伝送する。



■第10条 正本


 この協定の英語及びスペイン語の本文は等しく真正である。相違ある場合には、英文が優先する。




以上の証として、下記署名者は、各自の政府から正当に委任を受けて、この協定に署名した。

(以下、署名部分のため割愛)



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