2011年02月07日

環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)私訳 『第3章 産品の貿易』

先日のエントリーに書いたとおり、TPPメインアグリーメントの私訳文を公開します。
今後の公開は必要に応じて行いますので順不同になると思います。
また、各章の分量も多いので、場合によっては章を分割して公開する場合も御座いますのでご了承下さい。

注)この訳文は当ブログ独自で行ったものです。
   著作権は放棄しませんが、非商用のみ自由引用とします。
   引用する場合、トラブル防止の為必ず出典を明記して下さい。






環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)『第3章 産品の貿易


■第1条 定義

この章において、

「宣伝映画及び音声[映像]記録」とは、加盟国の領域に設立された店舗又は居住者を持つ会社、商社もしくは人により、産品やサービスを宣伝又は販売促進するために作られた記録音声又は録画映像(フィルム、テープ、又はディスク)、あるいは音声(テープ又はディスク)媒体。一般公開用の上記媒体は除く。

「農産品」とは、WTO協定の一部である「農業に関する協定」第2条で言及されている当該産品を意味する。

「ごく小額の商品見本」とは、発送時に個別または一括で1USドル以下もしくは加盟国の通貨でそれに相当する価格の商品見本、あるいは(傷や汚点など)跡が付いている、破れている、穴が開いている、乃至他の理由で商品見本以外に販売や利用に適さないと見なされる商品見本を意味する。

「領事手続」とは、商業送り状、原産地証明書、積荷目録、輸出申告もしくは、輸入時または輸入に関連して必要となるその他の関税文書のために、領事送り状又は領事査証を取得するためには、その他の加盟国の領域への輸出を目的とする産品が、輸出国の領域内の輸入国の領事の監督下に提出されなければならないという要件を意味する。

「免税」とは、関税の免除を意味する。

「輸出補助金」とは、WTO協定の「農業に関する協定」第1条(e)(当該条項の改定を含む)で同用語に割り当てられている意味を持つ。

「スポーツ用に運び込まれる産品」とは、当該産品が輸入される加盟国の領域でスポーツ大会、実演又は練習に使用される品物及び機材を意味する。

「展示又は実演目的の産品」には、関税分類番号の90.23項に分類されている、実演用に設計され他の目的には適さない器具、装置及び雛型が含まれる。

「印刷済宣伝材料」とは、無料で提供され、原則的に産品又はサービスの宣伝を目的とし、産品又はサービスの販売促進、広告もしくは宣伝に用いられる、パンフレット、小冊子、チラシ、販売目録、貿易協会発行の年鑑、旅行者向け販促資料及びポスターを含む、国際統一商品分類の49章に分類される産品を意味する。


■第2条 範囲

別段の規定がある場合を除いて、本章は全加盟国間の全ての産品貿易に適用される。


■第3条 内国民待遇

各加盟国は、1994年のGATT第3条に従い、その他の加盟国の産品に内国民待遇を与える。そのために、1994年のGATT第3条の規定は、必要な変更を加えて、この協定に組み込まれその一部を形成する。


■第4条 関税の撤廃

1 本協定に別段の規定がある場合を除いて、如何なる加盟国も、原産品に対して、既存の関税を引き上
  げたり、関税を導入したりすることはできない。

2 本協定に別段の規定がある場合を除き、付属書Tに示す加盟国のスケジュールを前提として、本協定
  の効力発生日の時点で、各加盟国は別の加盟国の原産品に対する全ての関税を撤廃する。

3 加盟国の要請に基づき、加盟国団は、スケジュールで示す関税撤廃の前倒しを検討するよう協議す
  る。産品に対する関税の撤廃を前倒しするという二国以上の加盟国の間での協定は、第17章第2条
  (委員会の機能)に従って各加盟国が賛同した時には、加盟国のスケジュールに従い決定された当
  該産品の関税率や引き下げ区分に優先する。このような前倒しは全ての加盟国に拡がる。


■第5条 修復及び手直しの後に再入国した産品

1 加盟国団は、産品の原産地に関わらず、修復又は手直しのために別の加盟国の領域に一時的に輸出
  された後に元の領域に再輸入された産品に関税を適用することは、このような修復や調整が前述の加
  盟国自らの領域で行われたかどうかに関わらず、できない。

2 加盟国団は、原産地に関わらず、修復又は手直しのために別の加盟国の領域から一時的に運び込ま
  れた産品には関税を適用できない。

3 本条において、修復及び手直しには次の作業又は処理は含まれない。

 (a) 産品の本質的特性を破壊する、もしくは、新しい産品又は商取引上異なる産品を作り出す。

 (b) 未完成の産品を完成品に作り変える。


■第6条 ごく小額の商品見本及び印刷済広告材料の免税輸入

 酒・煙草製品を除いて、加盟国団は、別の加盟国の領域から輸入されたごく小額の商品見本及び印刷済宣伝材料に対して無関税輸入を認める。これは原産地に関わらないが、以下の事項を要求できる。

 (a) 当該見本が、別の加盟国又は非加盟国の領域から提供されるサービス、
     又は前述の国々の産品に対する発注を集めるためにのみ輸入されること。

 (b) 当該宣伝材料が、それぞれが各材料のコピーを一つしか含まない小包で輸入され、
     当該材料も小包もより大きな委託販売品の一部と成らないこと。


■第7条 産品の一時輸入許可

1 酒・煙草製品を除いて、各加盟国は以下の物品に免税一時輸入許可を与える。

 (a) ビジネス活動、貿易、又はビジネスパーソンの業務を遂行するために必要な、
    業務用機器(報道機関又はテレビ放送用の機材を含む)、ソフトウェア並びに放送・映像機材。

 (b) 展示又は実演目的の産品。

 (c) 商品見本と宣伝映画及び音声[映像]記録。並びに、

 (d) 原産地に関わらず、レース又はその他類似の催しを含むスポーツ目的で運び込まれる産品。


2 各加盟国は、当事者の要請と自国の税関当局が有効と見なす理由により、一時輸入許可の期限を最
  初に設定した期間以降に延長する。ただし、特定の産品及び個々の事例の状況を考慮した延長期間
  が妥当であり、最初に設定した期間以下であることが条件である。


3 如何なる加盟国も、以下の要求以外に、1で言及される産品の免税一時輸入に条件をつけることはで
  きない。

 (a) 別の加盟国の国民又は居住者のビジネス活動、貿易、業務又は運動競技の実行において、その人
    によって、もしくはその個人的な監督下でのみ使用されること。

 (b) その領域にある間に販売、賃貸、処分又は譲渡されないこと。

 (c) 産品の輸出には免除できる、入国又は最終の輸入に関してもし保証金がなければ支払うことになる
    はずの課徴金以下の額の保証金を伴うこと。

 (d) 輸出入時に識別が可能であること。

 (e) (a)で言及する人の出国に際して輸出される、又は一時輸入の目的に関係する、加盟国が定める
     その他の期間以内に輸出されること。

 (f) 使用目的のための妥当な量を超えず運び込まれること。

 (g) その他の点で、加盟国の法律に基づいてその国の領域に運び込まれる資格があること。


4 もし3に基づき加盟国が課す条件が果たされていなければ、その加盟国は、産品が通常負うはずの関
  税及びその他の課徴金に加えて、国内法に基づいて規定されているその他の課徴金又は罰則を適用
  できる。

5 各加盟国は、税関当局を通して、本条に基づき運び込まれる産品の迅速な引渡しをもたらす手続を採
  択する。可能な限り、当該手続は、当該産品に一時入国を求める別の加盟国の居住者又は国民が伴
  う時、産品がその国民又は居住者の入国と同時に引き渡されることを定める。

6 各加盟国は、本条に基づき一時的に運び込まれた産品が、運び込まれた地点以外の税関が認める出
  国地点を通して輸出されることを許可する。

7 第12章(サービスの貿易)を前提とし、

 (a) 各加盟国は、別の加盟国の領域から自国の領域に入る、国際輸送に使用される車両又は容器が、
    その実利的且つ迅速な出国に合理的に関係するあらゆる経路で自国の領域から出ることを許可す
    る。

 (b) 如何なる加盟国も、車両又は容器の税関が認める出国地点と同入国地点の間の違いのみを理由
    に保証金を要求する、もしくは罰則又は課徴金を課すことはできない。

 (c) 如何なる加盟国も、特定の税関が認める出国地点を通した出国を、自国への車両又は容器の入国
    に関して課す義務(保証金を含む)の免除の必要条件とすることはできない。

 (d) 如何なる加盟国も、別の加盟国の領域から自国の領域へ容器を運ぶ車両又は運搬装置と、当該容
    器を前述の加盟国の領域に戻す車両又は運搬装置を同一にするよう要求することはできない。


■第8条 非関税措置

1 WTO協定に基づく権利と義務、もしくは本協定のその他の規定に従う場合を除いて、如何なる加盟国
  も、別の加盟国の産品の輸入、または別の加盟国の領域に向けた産品の輸出に対して非関税措置を
  適用又は維持しない。

2 1は第3章付属書Aに示す措置には適用しない。


■第9条 管理費及び手続


1 産品の輸出入に関連して課せられる手数料、課徴金、手続及び要件は、1994年のGATTに基づく義
  務に則るものとする。

2 如何なる加盟国も、他加盟国団の産品の輸入に関連して、関係のある手数料及び課徴金を含む領事
  手続を要求することはできない。

3 各加盟国は、インターネット又はコンピューターを使った類似の電気通信網を通して、輸出入に関連して
  課せられる手数料及び課徴金の最新のリストを入手可能にする。


■第10条 輸出税

如何なる加盟国も、その他の加盟国の領域への産品の輸出に対して、関税、租税、もしくはその他の課徴金を採択又は維持することは、このような関税、税金、又は課徴金が、国内消費向けの当該産品に対して採択又は維持されない限りできない。

(※注 確実を期すと、本条は、1994年のGATT第8条の規定に沿って輸入する産品の輸出に関する手数料、課徴金、手続、及び要件には適用しない)


■第11条 農業輸出補助金

1 加盟国団は、あらゆる形式の農産品輸出補助金を多国間で撤廃するという目的を分かち合い、この
  ような協定を達成しようとする取り組みに協力し、いかなる形式の農産品輸出補助金の再導入も阻止
  する。

2 本協定のその他の規定に関わらず、本協定の効力発生日の時点で、加盟国団は、他の加盟国向け
  の農産品のためのあらゆる形式の輸出補助金を撤廃すること、並びにいかなる形式の当該補助金の
  再導入も阻止することに合意する


■第12条 価格帯系

1 チリは、法律18.525号の第12条とその後の合法的改正もしくは後継のシステムに設定される価格
  帯系を、その法律の対象となる製品のために維持できる。

  (※注 価格体系の対象となる製品は、HS 1001.9000、1101.0000、1701.1100、
   1701.1200、1701.9100、1701.9910、1701.9920及び1701.9990だけである)

2 1で言及する製品に関して、チリは、同国が1994年のGATT第24条に基づき通知される協定を結ん
  でいる、あるいは将来において結ぶだろう国を含む第三国に与える特恵関税待遇に劣らない待遇を他
  の加盟国に与える。


■第13条 特別農業セーフガード措置

1 チリは、第3章付属書Bに列挙する限られた数の特定重要農産品に対して、特別セーフガード措置を
  適用できる。

2 チリは、加盟国の間で当該産品の貿易の拡大を促進し自由化するため、本協定に基づく約定と合致す
  る方法で、特別セーフガード措置を適用することに努める。

3 チリは、付属書Tに示すチリのスケジュールが指定する猶予期間に従い、関税の撤廃が行われている
  間のみ、産品に特別セーフガード措置を課すことができる。チリは、産品が本協定に基づき関税免除資
  格を得た後に、その産品に特別セーフガード措置を課すことはできない。

4 第3章第4条にかかわらず、チリは、第3章付属書Bに列挙する産品に対して、以下に示す追加輸入関
  税の形で、特別セーフガード措置を課すことができる。当該追加関税及び輸入関税又は第3章第4条
  に従い適用されるその他の課徴金の総計は、次の内小さい方を超えない。

   (a) 現行の最恵国に適用される税率。または、

   (b) 基準税率

5 チリは、もし産品の輸入量がいずれかのセメスター(期)の間にトリガー水準の量を超えれば、第3章付
  属書Bに列挙する産品のために、その特定のセメスターに対応して、特別セーフガード措置を課すこと
  ができる。

6 チリは、同国が特別セーフガード措置を適用するセメスターの終わりまでのみ、5に基づき、その措置を
  維持できる。

7 本条の取り決めに従って追加関税が課せられる前に締結した契約に基づき、輸送の途上にあった当該
  産品の供給は、いかなる当該追加関税も免除される。ただし、その供給を、次のセメスターに5の規定を
  引き起こすために、次のセメスターの間の当該産品の輸入量として計算できることが条件である。

8 チリは、同一の産品に関して、特別セーフガード措置を適用できないと同時に、1994年のGATT第19
  条及びセーフガード協定に基づく措置を維持又は適用できる。

9 チリは、如何なる特別セーフガード措置も透明性のある方法で適用する。チリは、最新の輸入量がその
  他の加盟国に対して簡単に利用できる方法で公示されるように努め、そして当該行動の実施の10営業
  日以内にとにかく、できる限り前もってその他の加盟国に、関連データを含め、文書で通知する。もし、
  規定のトリガー量に達している、あるいは達しようとしている場合に、チリが特別保護措置を適用しない
  ことを決定すれば、同国はその決定を直ちにその他の加盟国に通知する。

10 加盟国の要請に応じて、チリは、特別セーフガード措置適用の条件について、必要に応じて、直ちに
   協議し、情報交換に協力する。

11 物品貿易委員会は、本条の履行及び運用を審査できる。

12 本条において、「特別セーフガード措置」とは、4に説明する特別セーフガード措置を意味する。
   そして「基準税率」とは、付属書Tに示す輸入国のスケジュールに表す輸入品の関税率を意味する。


■第14条 物品貿易委員会

1 加盟国団は、本章及び第4章(原産地規則)の下に生じる問題について検討するために、
  加盟国又は委員会の要請で開くことができる物品貿易委員会を設置できる。

2 委員会には以下の機能が含まれる。

 (a) 上記の章の履行を審査すること。

 (b) 加盟国間の産品の貿易の障害に対する取り組みを含む、改善された市場アクセスを促進し円滑化
    するための措置の明確化と提言、並びに本協定に基づく関税撤廃の加速。





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2011年02月06日

TPPに思うこと -或いはTPP本の出来るまでとその目的-

そもそも、TPPについて本にするきっかけとなったのは、ウチで出した『環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)日本参加に関する考察』というレポートが発端でした。
このレポート、同名のレポートを3本書いているのですが(11/18版、12/5版、12/14版があります)なのですが、このレポートでは農業以外の影響を中心に日本への影響をまとめました。
というのも、不利益を被る人数が農業以外の方が圧倒的に多く、利益を得られる人が想定よりもずっと少ない事が、TPPのメインアグリーメント(現在当ブログで公開中)を読み進めていくうちにハッキリしてきたからです。

そこで、著者の廣宮さんと相談の上、急遽本としてまとめることになりました。

前述のレポートは、一部の国会議員の方へは既に資料としてお出ししております。
また、議論しようにも叩き台すらないことを憂慮し、翻訳文も同様に資料としてお出ししております。
TPP本発売前に、各方面への資料提出を快く承諾して下さった扶桑社様には大変感謝しております。

ネット上ではTPPが「米国の・・・」とか「農業の・・・」とか「医療の・・・」と言った議論が主流ですが、関係ないと思っているサラリーマンの皆さんが、実は人数的には最大の犠牲者になると想定されます。
また、TPPを米国の陰謀等と言った視点で語ることは、本質を見失うことになり大変危険です。
米国が覇権を狙っていることは確かですし、そうしなければならない経済事情もあります。(米国に時間がない経済事情については「TPPが日本を壊す」の中で触れています)
しかし、TPPはそのために作られたものではなく、米国としてはたまたま目の前に「便利そうなツールとしてTPPがあったから利用している」だけです。
TPPが無ければ別の手段を講じるだけだから、TPPとの直接的な関連性は極めて薄いといえます。
そして、TPPと米国の思惑を直接的に結びつける議論は、米国の真の思惑を隠すことになりかねません。彼らはもっとしたたかですから。
このような議論はTPP議論の枠を狭めます。
そのことは日本にとって決して良い結果を生み出さないと思うのです。

農業や医療についてもそうです。
農業や医療が危機であることは間違い有りませんし、その事については「TPPが日本を壊す」の中でも触れています。
しかし農業や医療のことだけを声高に叫べば叫ぶほど、農業から遠いサラリーマン等の多くは他人事のように感じてしまうのです。
今はTPPが多くの人にとって不利益になる事を知らしめるべきで、業種や地域の垣根を越えた認識の共有が必要とされています。

TPPとはなにかをあきらかにし、特定業種だけの問題ではなく、外国の思惑でもなく、TPPが日本の根幹にどれだけ影響するかを理解して頂きたく、私訳の公開を順次行っております。

読者の皆様におかれましては、農業や医療の枠を超えた出来るだけ広い分野の方々にこの実態を知らせていただければ幸いです。

TPPは、まさに日本人の『食』と『職』が崩壊の危機にさらされています。
詳しくは後日発売の書籍『TPPが日本を壊す』にゆずりますが、書籍や当ブログが、深く広く、そして冷静な議論の叩き台にとなればと願っております。


ラベル:TPP
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2011年02月05日

環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)私訳 『第2章 一般的定義』

先日のエントリーに書いたとおり、TPPメインアグリーメントの私訳文を公開します。
今後の公開は必要に応じて行いますので順不同になると思います。
また、各章の分量も多いので、場合によっては章を分割して公開する場合も御座いますのでご了承下さい。

注)この訳文は当ブログ独自で行ったものです。
   著作権は放棄しませんが、非商用のみ自由引用とします。
   引用する場合、トラブル防止の為必ず出典を明記して下さい。






環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)『第2章 一般的定義


■第1条 一般に適用する定義

この協定において、別段の規定がない限り、

「協定」とは、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を意味する。

「APEC」とは、アジア太平洋経済協力会議を意味する。

「委員会」とは、第17章第1条(環太平洋戦略的経済連携委員会の設置)に基づいて設置される環太平洋戦略的経済連携委員会を意味する。

「税関」とは、関税法、法令及び政策の執行に、加盟国の法律に基づき責任を負う所轄官庁であり、

 (a) ブルネイ・ダルサラーム国に関しては、関税消費税庁を意味する。

 (b) チリに関しては、チリ関税局を意味する。

 (c) ニュージーランドに関しては、ニュージーランド関税局を意味する。

 (d) シンガポールに関しては、シンガポール税関を意味する。

「関税」には、産品の輸入に関連して課せられるあらゆる種類の関税又は課税金、そして当該輸入に関連して課すあらゆる付加税又は追徴税が含まれる。ただし、以下の事項は含まれない。

 (a) 1994年のGATTと矛盾せず課せられる内国税に相当する課税金
     (消費税や物品サービス税を含む。)

 (b) 手数料又は他の課税金のうち、
   (@) 提供されるサービスの概算費用を限度とするもの。
   (A) 国産品の直接的又は間接的保護、あるいは財政目的の輸入品に対する課税を表さないもの。

 (c) 「補助金及び相殺措置に関するWTO協定」「1994年のGATT第6条の実施に関するWTO協定」
     及び1994年のGATT第6条の規定に矛盾せず適用されるダンピング防止税又は相殺関税。

「関税評価協定」とは、WTO協定の一部である「1994年の関税及び貿易に関する一般協定第7条の実施に関する協定」を意味する。

「日」とは、カレンダー上の日にちを意味する。

「企業」とは、法人、会社、協会、合名会社、トラスト(企業合同)、合弁企業、個人事業体又は適用法に基づいて構成もしくは設立されるその他の事業体を意味する。その事業体の設立が営利目的かどうか、私有か又は別の方法で所有されているのか、あるいは有限責任での設立か無限責任での設立であるかどうかは関係がない。

「加盟国の企業」とは、加盟国の法に基づき構成又は設立される企業を意味する。

「現行」とは、加盟国にとってこの協定の効力発生日に有効であることを意味する。

「GATS」とは、WTO協定の一部である「サービスの貿易に関する一般協定」を意味する。

「1994年のGATT」とは、WTO協定の一部である「1994年の関税および貿易に関する一般協定」を意味する。

「加盟国の産品」とは、1994年のGATTで解釈される国産製品、又は加盟国団が合意できるような産品を意味し、加盟国の原産品が含まれる。

「産品」と「製品」は、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、同じ意味を持つと解する。

「国際統一商品分類(HS)」とは、各自の関税法において加盟国が採択及び実施する、「世界税関機構」施行の「産品の名称及び分類についての統一システム」(解釈に関する通則、章注釈及び節注釈を含む)を意味する。

「項」とは、国際統一商品分類に基づいた関税分類における最初の4桁を意味する。

「措置」には、あらゆる法、規制、手続、要件又は慣行が含まれる。

「国民」とは、第2章付属書Aに準拠した加盟国の国籍を持つ自然人、もしくは加盟国の永住者を意味する。

「原産」とは、第4章(原産地規則)に示す原産地規則に基づいた資格を得ていることを意味する。

「人」とは、自然人または企業を意味する。

「加盟国の人」とは、加盟国の国民または企業を意味する。

「生産者」とは、栽培、育成、採掘、収穫、漁獲、捕獲、採取、収集、飼育、抽出、猟獲、製造、加工、構築、または解体を行う人を意味する。

「特恵関税待遇」とは、付属書Tに示す加盟国団各自の関税撤廃スケジュールに準拠した、原産品に適用される通関料を意味する。

「セーフガード協定」とは、WTO協定の一部である「セーフガードに関する協定」を意味する。

「号」とは、国際統一商品分類に基づいた関税分類における最初の6桁を意味する。

「領域」とは、加盟国にとって第2章付属書Aに示すその加盟国の領域を意味する。

「WTO」とは、世界貿易機関を意味する。

「WTO協定」とは、1994年4月15日に締結された「世界貿易機関を設立するマラケシュ協定」を意味する。



■付属書A 各国ごとの定義

この協定において、別段の規定がない限り、

「加盟国の国籍を持つ自然人」とは、

 (a) ブルネイ・ダルサラーム国に関しては、ブルネイ法に従い国家元首スルタン国王陛下の臣民を
    意味する。

 (b) チリに関しては、チリ憲法第10条に定めるチリ人を意味する。

 (c) ニュージーランドに関しては、時折改正される、1977年の市民権法、又は後継の法律が定める
    公民を意味する。

 (d) シンガポールに関しては、憲法及び国内法が意味する範囲内の公民であるあらゆる人を意味する。


「領域」とは、

 (a) ブルネイ・ダルサラームに関しては、同国の領域と、ブルネイ・ダルサラームが国際法と同国の
    法律に従い主権的権利または領有権を行使できる範囲の同国の海岸に隣接する沿岸地域を
    意味する。

 (b) チリに関しては、同国の主権下の陸・海・空域と、国際法及び国内法に従い同国がその内側におい
    て主権的権利と領有権を行使する排他的経済水域及び大陸棚を意味する。

 (c) ニュージーランドに関しては、同国の領域と、国際法に従い天然資源に関して同国が主権的権利を
    行使する排他的経済水域、海底及び下層土を意味する。ただし、トケラウは含まれない。

 (d) シンガポールに関しては、同国の陸地、内水及び領海に加えて、シンガポールがその内側において
    海、海底、下層土及び天然資源に関して主権的権利または領有権を行使できる区域として、
    国際法に従い、同国の国内法に基づき指定されており、将来においても指定されているだろう領海上
    に位置する沿岸地域を意味する。



posted by FumiHawk at 20:00| Comment(1) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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