2016年08月25日

PCデポの炎上案件の様相がちょっと変わってきた件

PCデポの件で、ヨッピー氏がPCデポ側からの回答をもらった事から追記が行われました。
追記内容のうちで状況に影響する可能性のある部分は以下の通りです。

3:一度目の解約の時に、ケンヂさんが「父親が認知症であり、今後無断で契約しないように店舗側に求めた」という部分において、店舗側にはそういった申し入れのログが残っていない、という事について追記しました

具体的には、記事で『「父親が認知症である」旨を伝えて「自分に無断で今後契約しない事」を求め同意を得た』という事実について店側は承知していないということです。

こうなってくると、いろいろ矛盾というか疑問点が出てきます。

【現時点での疑問点】


@前回、認知症という理解が無いのにPCデポ側が無料契約解除に応じたのはなぜか?

A前回の契約解除は無料だったのに、PCデポ側が今回20万円を請求したのはなぜか?

B半額になったとはいえ、前回は無料だったのに今回顧客A側が10万8千円を支払ったのはなぜか?


前の記事を書いた時点での内容では「顧客Aが認知症である事を双方承知していた」「認知症だから家族の同意無しで契約しないと合意した」「にもかかわらず顧客A単独で契約した」ところが問題でした。

しかし、今回の情報も含めるとかなり様相が変わってきます。

「店側は認知症と理解していなかった」「家族との合意もなかった(もしくは店舗内で合意の情報を共有できていなかった)」「だから通常の顧客としてサービスを勧めて契約した」となります。

こうなると(サービスが妥当か等の問題はあるものの)PCデポ側に致命的な落ち度がないということになります。
Bについてはヨッピー氏から
『「無償解除が妥当なのに契約を盾に支払いを求められたから怒った」という所だと思います。「支払いに応じた」というよりは「契約を盾に渋々支払わされた」という所なので。無償解除の記録は残ってますよ』
という回答を頂きました。(https://twitter.com/yoppymodel/status/768608477702856705

ただし、前回は無償なのに今回は契約を楯に支払わされるということに関しては疑問です。
前回だって契約を楯に解除料の支払いを求めたでしょうし、それを認知症を理由に無償解除まで持ち込んでるのですから。

さて、今回のPCデポ側情報で矛盾が無くなるのは以下の点です。

(A)認知症という理解じゃないから契約した。
(B)認知症という理解じゃないから(PCデポ側としては)通常の契約解除料を請求した。

また、前述の疑問点の一部も説明がつけられる可能性があります。

(C)解除料を払ったのは顧客Aが認知症だという共通認識が無かったから


本来であれば、店側と顧客側の合意書なりが出てきて、それを元に無料解除で話は終りですが、残念なことにこういった書類は出てきていません。

現状考えられるのは、PCデポ側は認知症ということを前回の現場では理解したが、そのデータが引き継がれずに再度の契約に至ったというシナリオでしょうか。

いずれにしても、片方が絶対悪という話でもなく、通常の顧客トラブルの範疇に収まってきた感じはあります。
引き続き詳細な情報を希望しております。

(この件に関しては…です。PCデポの体質等は別の問題ですので)



posted by FumiHawk at 10:11| Comment(1) | TrackBack(0) | 情報リテラシー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月24日

PCデポの炎上案件における真の問題点はなにか

現在進行形で、PCデポ(PC DEPOT)が何も分らない高齢者にサポートサービスを契約させ、解除を求めたら20万円の解除料を要求された件が炎上しています。
PCデポの株価も急落、ネット上には同社への糾弾が多くみられます。

ただ、糾弾の大半は「高額のサポートサービスを契約させた」「高額の解除料を請求した」という契約や解除の金額に関するものと、「対応が悪い」「顧客が可哀相」といった感情論、さらに「同社はそれ以前から同様の問題起こしていた」といった過去の所行にまつわる物などです。

これまで情報が少なく、しかも被害にあった顧客側からの情報だけでしたのでなんとも言えませんでしたが、今回この問題を報道したヨッピー氏が、Yahooでかなり詳細な事の顛末(http://bylines.news.yahoo.co.jp/yoppy/20160823-00061403/)を発表したので、だいぶ全容が見えてきました。
と同時に、今回の件で問題にすべき部分と、実際に問題になっている部分が結構ズレているのがわかりました。

そのあたりに関して「なにが問題」で、「顧客は何を求めるべき」で「PCデポはどうすべき」だったかをまとめました。
(ただし、前提条件としてヨッピー氏の記事が事実であるという前提です。事実と異なった場合は以下の部分を修正する場合があります。)

なお、以降は極力ヨッピー氏のまとめで判明した事実をベースに感情とか道徳論排して話を展開させますので、少々不快な展開があるかもしれませんが御容赦下さい。


【2015年秋に発生していた事象】

@PCデポと顧客Aの間には、「オールデバイスがっちり得トクサポート&オールワイヤレスプラン」という月額4,150円のサポートプランなどを含めた、月額合計税込5,133円のサポート契約が結ばれていた。

A前述の契約でiPad miniがリースされている。

B前述の契約した頃から顧客Aは認知症になっていた。(それ以前は対象店でたびたび買い物をしていた)

C前述の契約を知った顧客Aの息子は契約解除料なしで契約を解除の上で「父親は認知症を患っているため、今後父親がこのお店に来ても私に無断で契約を結ばせるようなことはやめてほしい」と訴え、店舗側が了承した。


【2015年冬(前述事件の3ヶ月後)に発生していた事象】

D-1使っているパソコンの調子が悪く、修理をしたいということで顧客A一人でPCデポに赴き、店舗の方に修理について相談した結果、月額合計14,245円の契約を結んだ。

D-2店舗側の主張によると、修理の話の最中に顧客Aが「iPadを使いたいから契約したい」というような話をしたらしく、店舗側は「親族に相談してみては」と顧客Aに話したが、「息子には内緒にして欲しい」とおっしゃられた結果、息子の同意なしに契約が結ばれたという商談レポートの記録が残っているとのこと。

E顧客Aは当時の事を覚えていない


【2016年夏(今月)に発生した事象】

F顧客Aの入院、老人ホームへの入居をきっかけに父親の家の荷物整理をしていた息子がこの契約に気付き、契約から8ヵ月が経った8月14日に再度PCデポを訪れ、契約の解除を求めたところ、総額20万円を超える契約解除料の支払いを要求されたため、店舗側に抗議した


このあと、PCデポ側の対応の拙さ等もあって大炎上するのですが、上記の部分が今回の問題の事実のみを列挙したものです。
さて、ここまでで気が付いた方もいらっしゃるかと思いますが、上の事実確認では「高額」や「法外」等の単語は排除してあります。
その理由は、今回の問題の本質は金額の多寡ではないからです。
依頼者Aの息子さんや、ネットでPCデポけしからんとお怒りの方々の大半が「高額の」とか「法外な」という形容詞で発言していらっしゃいますが、問題はそこではないのです。
むしろそこに焦点を当てて糾弾することは、顧客A側にとっては不利なのです。
法外なとか、高額なと言うのであれば妥当な金額を提示しなければならなくなりますし、もっと有利な部分を「金額の問題にすり替えることで誤魔化されてしまう」からです。

では、今回の一件で重要なポイントは何処でしょう。
この流れで言えば、BとCです。ええそれは金額など吹っ飛んでしまうほど圧倒的に。

Bにあるように顧客Aは認知症を患っており、その事実は(ヨッピー氏の記事が事実であるならば)2015年の冬の時点でPCデポ側も認識しており、顧客Aの息子に無断で契約させない旨の約束を取り交わしています(C)。

顧客Aが認知症であることを知り、しかも認知症である事を理由として店舗と家族(息子)との間に「顧客Aは予測・判断能力がない制限行為能力者であるから、顧客A単独での契約は以後行わない」との取り決めも交わされていた上で、取り決めを反故にし、予測・判断能力がない人と契約を交わした…この事が最重要ポイントです。

もし「高額な」という論調になると、では金額が妥当なら(例えば月額1980円とか、解約手数料が4000円とか)なら問題無いのか、という話になります。
今回の一件はそういう話ではありません。
技術の対価は状況と必要度と提供者の技量等によって変わります。
提示された料金を見た人が料金を見て「安い」とか「高い」とか感じることはあっても、犯人共通の妥当な技術料なんて世の中には存在しません。

PCデポの不当な部分は「相手が認知症と知りつつ、家族との取り決めを無視して、相手がそのサービスが必要かどうかの判断できないのをいいことに不必要と思われるサービスを顧客Aに結ばせた」この一点に尽きるのです。

解約料金が高い?
→そんなの後付でその金額になる理由などどうにでもできます。

サービス料金が高い?
→出来る人にとってはタダ同然でも、出来ない人にとってはそれだけの費用を払ってでも人に手伝って欲しいということはあるものです。

サービス内容も分らない認知症の人を言いくるめて契約させる?
→どうやっても言い訳効きません、酷すぎます。

ですのでこの一件でPCデポの行った行為はボッタクリではなく、詐欺行為に極めて近いと言えるでしょう。
金額云々とかじゃなく、そもそも契約が無効だと顧客A側は訴え、PCデポとの話し合いが不調に終わったのなら消費者センターに駆け込むべき事案なのです。
そして、料金が高い等は主観以上のものではないので、PCデポにとってはとても反論や訴訟などがしやすい部分です。
間違った争点で問題を大きくすると、逆襲を喰らうことになります。
これは避けた方がいいと思います。

もう一度言います。
値段の高低は問題ではありません。
認知症としりつつ、詐欺同然に押しつけ販売を行った事が問題なのです。
(ヨッピー氏の聞き取り情報が正しければ)


追伸
その後出てきているPCデポの他の案件についてはそれぞれ別の問題点がありますし、PCデポの商売方法がグレーゾーンの黒側スレスレか若干はみ出している可能性については別の問題で、そこを否定するものではありません。
また、ヨッピー氏の聞き取り情報にも矛盾点が見られますので、よりいっそう対応に慎重さが求められる案件だと考えられます。
posted by FumiHawk at 17:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 情報分析 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする