2010年02月09日

情報リテラシー講座その1 「人は無色透明な事実より、好みの色の真実を見たがる」

小沢識者会見絡みの動きは、ほぼ分析通りの展開となって一安心です。
個人的には展開に一安心と言うより、分析が外れなくて一安心(笑)

さてこの一連のお祭り騒ぎ、私自身はTwitter(https://twitter.com/FumiHawk )で眺めてたんですが、とにかくマスコミ報道に一喜一憂する方が多く、しかもリーク(?)報道合戦だったため矛盾したりずれたりした情報が大量に錯綜して、頭を抱えた方も多かったと思います。

ですので、特に分析やメンタル系のエントリーを書かない時は、そういった情報の見方と、マスコミ等の世論操作の仕方などを書いて、読者の方々の情報リテラシーの向上をお手伝い出来ればと思います。
(洗脳とかメンタルケアにも関係しますので、あながち本ブログで扱ってもおかしくないかと。)


さて、第一回の今回は『人は無色透明な事実より、好みの色の真実を見たがる』です。
具体的に言うと、疑似科学や理論のすり替え等によるウソについて・・・って感じでしょうか。

まず大前提として「世の中には無色透明な情報は滅多にない。」と言うことが重要です。
情報はそれを発信する、もしくは伝える人のスタンスや属性によって、(意図的か無意識かは別にして)必ず色が付きます。
なぜなら「事実は一つでも、真実は見る角度によって異なる」からです。

例えばある人がジュースを飲んで「リンゴ味」と言った場合、日本人なら「甘くてフルーティーな、ふじとかサンふじの味」を思い浮かべますが、“ある人”が欧米人の場合「リンゴ味」とは「甘いがかなり酸っぱめな、紅玉系の様な味」を指します。
普遍的な感じがするこんなものレベルでも、簡単に情報に色が付いてしまうのです。


無色透明な情報がないと言うことは、意図的に色を付けることが可能だと言うことでもあります。
それは世論誘導等といった情報操作(スピン)が程度の差こそあれ日常当たり前に行われている事の証左でもあります。

CMは商品を魅力的に見せて購買意欲をそそるようにスピンをかけるものですし、グルメ番組は紹介したお店に関心を持つよう視聴者に仕向けます。
ブランドものの紹介記事は、その商品を持つことがステータスであるという価値観を植え付けるためにあるかもしれませんし、ビジネス書は著者の営業宣伝のために書かれたものかもしれません。


そして情報操作の基本は「操作されたと思わせない」です。
言い換えれば「自分でそう考えた思わせる」ことです。
そのためには、都合良く色付けした情報を「真実である」と思わせなくてはなりません。
これを実現する戦術は多々ありますが、その中でもよく使われるのは「ウソの情報を真実だと信じ込ませる」ことです。

ここからが本題。

ではどのように「ウソを信じ込ませる」か?
しかも「騙されている思わないように」です。

情報操作の場面で、このような目的のために利用する代表的テクニックは以下の通り。

(1)真実を語っているが、不都合な部分だけ伏せる
(2)前段の正論を展開、後段では前段と関係ない主張を前段と関連するように話して不都合な解説を回避
(3)相手の信じたい物を、さも論理的(科学的)であるかの様な説明を付けて提示


・・・他にもあるけど、これ以上は勘弁してくださいな(^^;


このなかで、(1)は日常よく利用されるテクニックです。
セールストークなどはこの最たるもの。
特に通販の時に見受けられます。
(「×××な時、こんな簡単に解決出来ます!」っていうけど、×××な時なんて滅多にないとか。)

これに引っかからないためには、出所の異なる複数の情報に当たることです。
紹介記事と、Webサイトと、ネットでの評判を比べて・・・等々、皆さんもよくやっているはず。
複数の情報ソースが同一方向に操作されない限り、見破るのは難しくありません。
逆に言えば、大規模に操作されると見抜きにくいと言うことです。

(2)は、政治家とか市民団体がよく使うテクニックですね。
例えば「戦争は良くない!だから無防備都市宣言する!」とか、「日本では少子化が大問題になっている。だから日本は外国人を移民として受け入れるべきだ!」とか。
前者の場合「戦争は良くない!」は正論ですが、無防備都市宣言したから戦争が無くなる分けじゃないですし、後者の場合「少子化が問題となっている」事は事実ですが、その解決方法はまず出生率の増加を促すべきであるし、そもそも少子化が国力の衰退に繋がら無いことも考えられます。仮に人口が1%減っても、生産性が2%上がればとりあえずは衰退しませんので。
この論法は、日本の左翼系の言論で多く見られます。

そして(3)ですが、これは疑似科学等でみられるテクニックです。
「水は話しかけると美味しくなる」とか「植物は会話出来る」とかのアレです。
この手の話の大本は「バクスター効果」というやつです。

バクスター効果とは、バクスターさんが1960年代に唱えた(けど10年位後に科学的に否定された)説で、
要約すると「植物は人間の心が読める」ってやつです。
この説は否定されていますが、一部の人達に根強く信仰され、途中どんどんブラッシュアップされて現在では極めて洗練された(ぶっちゃけ、人が騙されやすい)理論になってきています。
科学的には既に否定されているにもかかわらず、未だにバクスター効果が信憑性を持って語られる。
もっと言うなら今の方が当時よりずっと信じている人が多いのは、ひとえに「植物だって生きているんだから、心が読めるはずだ」と信じたい人達に、「あなたの信じている事は正しい」と理屈付けをしたからです。
これは、主観的感覚により近い論理的情報に接すると、思考停止して盲信しやすいという人間の感情的傾向を利用したものです。
つまり「これ美味しい・・・よね」と思っていたものに対して、料理評論家に「それは○○の水と××の砂糖を使っているから云々」と言われ、「ああ、やっぱり美味しいんだ」と信じる構図と一緒。
この例だと、素材が良いから美味しいとは限らないにもかかわらず理論的(評論家の言)に、もっともらしい説明を受け、それが自分の感覚に近かったため、心理的抵抗を簡単に乗り越えて浸透したわけです。

最近マスコミ報道で「子供の犯罪が増えている!」などと言われることもありますが、これを信じている人が多いのも同様。
これは、ニュースで子供の凶悪犯罪が多数流されていることから、主観的感覚として「子供の犯罪が多いな」と思っていたところに、TV局的には有識者であるコメンテーター(笑)が「増えた!」というのですんなり信じてしまいます。
でも実は、統計上は子供の犯罪の急激な増加はありません。この間に起こっているのは、神戸の小学生殺人事件といった大事件を洪水のように繰り返し報道しただけ。報道時間や量は長くても、報道される事件の件数はそれに比例していません。

私自身は、その理屈を押しつけられない限り他人が勝手にバクスター効果を信じる事に反対はしませんし、日本は八百万の神やら付喪神(つくもがみ)やらの居る国ですので、植物と意思疎通が出来ると言ったバクスター効果の類が浸透しやすい余地があるのは仕方ないと思っています。
まあ、針やら人形やら包丁やら家具やらが神様になるなら、サボテンやら樹やら水がしゃべっても不思議じゃないですけどね(^^;

でも、同時にバクスター効果が浸透したような構図は、情報操作手法として有効であり、絶えず利用されていると言うことも認識しておいて頂きたいのです。

いずれにしても、情報操作と思考停止は綿密に関係していますので、情報を見たら複数ソースを読んで考えるクセを付けましょう。
そうすることが、騙されないコツです。

特に政治絡みで騙されたら、そのツケは騙された人の人生で払うのはもちろん、日本国民全員に連帯責任になってしまいます。
ゆめゆめ、「ためしに」とか「一度くらい」といった思考停止で大きなツケを背負うことになりませんように。






・・・既に背負ってしまってるんですけどね、去年の衆院選で(T^T)
posted by FumiHawk at 00:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 情報リテラシー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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