2010年02月09日

仲間が寝返ったのではなく、最初から仲間ではなかった -田村耕太郎の民主入り-

「お前らこそ卑怯者だ!」と「入党なう」の発言で一躍時の人となったタムコーこと田村耕太郎参議院議員(2/8に民主入党)ですが、これに対して私は2/6〜2/7辺りにTwitter ( http://twitter.com/FumiHawk ) で概ねの分析を発言してます。
いくつかの発言を抜粋すると以下の通り。


田村さんのスタンスは民主の主張と合ってないので、もしこれで入党するようなら「アメ」ではなく「ムチ」で引きずり込んだ線が濃厚かと。(2/6 10:47)

ムチの典型は「ハニトラ関連」とか「裏金関連」なんですが・・・そもそもなんで田村さんが離党したのかって所から疑問です。離党理由に説得力がない。(2/6 11:00)

タムコーさん、こっちは離党の段階からアングルなのは判ってるんだから、もうちょっと上手に反応しないと、主席に「もげろ」ってされちゃうよ(爆)(2/6 23:54)

ちゃいます、タムコー=当初から半島側工作員説。 小沢の説得余地は・・・つまりそういうこと(^^;(2/7 01:11)

ある意味、タムコーに同情してしまった俺ガイル(爆)<自分の意志関係なくがんじがらめのハニトラ地獄(2/7 01:31)

タムコーは「民主入り前向き」じゃなくて「諸般の都合で、自分の意志関係なく民主入りしか道がない」が、ウチでの分析結果。(2/7 21:44)



この時点で、分析としては「タムコーは当初から弱みを握られた状態」「自民離党→民主入りは既定路線」しかも「本人の意向は(概ね)関係なし」という推定をしておりました。

ふたを開けてみれば、(暴言とかいろいろあったものの)推定通りにすんなり民主入り。
分析がお仕事の一部である私にとっては、この動きでビックリする世間様にビックリです(^^;

だって、どう見たってタムコーさんには民主入りしか道がない、もっと言えば最初選挙の立候補前から(本人の意志関係なく)小沢氏の草に近い存在に仕立てられる要素が満載だったのですから。

ということで、その辺の分析を簡単に紹介したいと思います。


まず、タムコーさんの経歴の中で分析のポイントとなる点を上げます。

【学歴】
早稲田大学商学部卒業→慶應義塾大学大学院修了

【職歴】
山一證券(1989年〜1996年)→新日本海新聞社(1996年〜)

【選挙歴】
1998年参院選に無所属で落選(対自民)
→1999年鳥取県知事に無所属で選落選(対自民党推薦候補)
→2000年衆院選に無所属で落選(対自民・石破茂)
→2002年参院鳥取補選で自民推薦で当選
→2004年参院選に自民党公認で再選

【その他】
1996年9月28日、新日本海新聞社の社主である吉岡利固の娘(伊都子)と結婚


こんなところですね。
ちなみに「イェール大学大学院」「デューク大学法律大学院」に関して時系列に留学が難しいので学歴詐称ではとの声もありますが、山一證券からの派遣留学のようです。
山一證券に在籍した8年間のうち1992年までは仕事しています(*1)が、その後派遣留学しているようですので、まあ極端なウソはないと思います。(問題はそこじゃないし)


山一證券で頑張ったタムコーさんですが、1996年に会社へ帰ってきてみれば倒産寸前の有様。
ちなみに前年に「米国デューク大学法律大学院にて特別講師を務める。」とのことですので、例の倒産騒ぎの前段で会社から帰国命令が出た可能性が高いと思われます。

で、本人曰く「政界を目指し、自主廃業の直前に山一を離れ」(*2)たと言うことなんですが、この時点で取得している資格や学んでいる分野が経済及び金融・證券関係ばかり。
となると、この方針転換にはなにかの影響があったと推定されます。
その影響の筆頭が義父である吉岡利固氏。

経済・金融分野で転職するのに高い評価を受けそうな経歴を持っているにもかかわらず、一地方紙に再就職。
再就職と同時に就職先のオーナーの娘と結婚して政治家へ方向転換。
就職後に記者として署名入りで政治系記事を多数発表。
嫁の父である吉岡利固は鳥取のナベツネのも言われる人物で、半島寄りの思想の持ち主(*3)。

地盤も看板も鞄もない、さらに地域との接点が出身地という以外にほとんど無く知名度もゼロに近い新人が、地元企業入社2年目に無所属で衆院選に出馬し、当時自民党の現職で自治大臣も務めた坂野重信(128,085票)にあと約27,000票と迫る戦いを行うのがどれほど異常なことか。

この結果の大半は本人の力でなく、メディアを持ち地元に強い影響力を発揮出来る義父の力と考えるのが妥当です。
これは影響力だけでなく、金銭的な部分でもタムコーさんが義父の強い影響下に置かれている証左といえます。

その後も、義父経営の新聞で署名入り記事を書きながら知名度を上げて選挙を戦いますが、ギリギリまで追い詰めるものの勝ちきれず。
最終的には2002年参院鳥取補選で自民推薦を受け初当選となります。
このとき、次点の藤井省三との差はたったの4千票あまり。
自民推薦を受けなければ間違いなく落選しています。
つまり、タムコー陣営は選挙に勝つために宿敵である自民党と手を結んだ訳です。

そして、藤井省三はタムコーの勝てなかった故・坂野重信の後援会や自民党県議の支援を受けて出馬しています。
つまりタムコーは「落下傘候補」状態だったわけです。
地元としては、タムコーさんを未だに心の底から推しているわけではない。
これは今回の離党のきっかけとなった推薦問題でも見て取れます。

これらの経緯からは、次の点が推定出来ます。

・タムコーさんは、義父の影響で政界を目指した
・タムコーさんの選挙活動は、ほぼ全ての面に於いて義父の力による
・義父は半島寄りスタンスであるが、政界へ義息を送り込むことを最重要視した


さて、ここまで分析が進めば最早今回の騒動は説明するまでもないと思うので、ここから先は要点だけ。

タムコーさんには、自分の政治的意志を通す基盤が無く、義父の意向を最大限尊重する必要があった。
そして義父はもともと半島寄りのスタンスで、小沢氏と親和性が高かった。
さらに世論の流れが民主寄りになり、このままではタムコーさんの当選が危なくなった。
タムコーさんはタムコーさんで、現在の自民党では自分の望んだ活動は出来ないと思っていた。
また、公認問題で相変わらず地元との軋轢があった。(*4)

そこへ衆参単独過半数を目指す小沢氏(もしくは手先)からのアプローチがあって、タムコーさんは離党を決意。
インタビュー(*5)に「政党の内輪の論理に煩わされたくない。私は原点に返ります。」との発言があり、類する発言をブログでも行っている事、報道でも新党に言及している事(*6)をみると新党結成が釣り餌として使われた可能性が高い。
同時に、義父と小沢氏側との間では比例名簿順位等を条件に、タムコーさんの民主入り路線が引かれる。

タムコーさんの離党表明時は、(離党理由はともかく)同様も視線の不自然な動きもなく、その後の記事等も合わせると新たな活動を目指す様が見える。
しかし離党後は自分の意志と異なり、義父の影響等で民主入りを拒否出来ない状況となる。
本人は多少抵抗を試みるが(*7)、最終的には従わざるを得ず既定路線通りに民主党入り。
その騒動中、自己顕示欲のとても強いタムコーさんは、自分が蚊帳の外なのに、そのことで非難されて暴発。
今回の「お前らこそ卑怯者だ!」祭りとなる。


まあ、概ねこの推定で大きく外れていることはないと思います。
現に、Tweeterで予想した通りの展開になっていることですし。

つまり「もともとタムコーさんは(本人の意志関係なく)小沢氏寄りの人物で、たまたま選挙のために手を組んでいたが、選挙協力の効果がなくなったので民主党入りした」と言うことです。
こんなの調べればすぐ判るし、正直に言うとこれを知らずに「ショックだ」という自民党関係者の甘さに涙が出る思いです。
甘いことは悪いことではありませんが、現状ではマイナスにしかなりません。
なんとかその辺の甘さをフォローするお手伝いが出来ればいいのですが・・・


さて、ここからはちょっと妄想も込み。(推定じゃなくて推測のレベル)

「金融分野で一旗揚げてやるぜ!」と自己顕示欲を髪型で表現した自尊心の強いタムコーさんですが、なぜか一転政界を目指します。
そのきっかけは、前述の義父である吉岡利固氏。
しかし吉岡利固氏とタムコーさんは娘の伊都子だけ。
でもって、転職と同時に結婚、さらに本人のそれまでの方針とは違って政界を目指す・・・

普通に考えたら、娘がキーマンなのは一目瞭然。
時系列からの推測で言うなら、出来ちゃった等の理由で娘と結婚。
で、娘を使って使えそうな(経歴等は極めて優秀)若者を抱き込んで、各種影響力で操り人形化。
(だって、タムコーさんには選挙戦う金も影響力も知名度もありませんので)

これって、ある意味「娘を使ったハニートラップ」です。
戦国時代とかには日常的に使われてる手段ですが、現代でも十分に通用します。


そんなこんななので、個人的にはタムコーさんにちょっとだけ同情的です。

しかし、例の彼の言動は実にわかりやすい。
アレは図星指されて怒っている反応じゃないです。
もしそうなら、過去の彼の反応のようにきちんと話せばいい。
あれは自分ではどうにもならない状況にいらだって、その状態を糾弾されたために怒った反応です。
この点からも、前述の推定が補足出来ます。

そうそう、「タムコーさんから小沢氏に頭を下げたんだ、だからこの推定は間違っている」ってのはナシですよ。

左寄りの東京新聞ですら「小沢氏は、自民党を離党した田村耕太郎参院議員(鳥取選挙区)を民主党本部に呼び出し「力を貸してくれ」と入党を要請。田村氏は保留した。(*8)」と報じてますから、推定通りです。



・・・って、なんでこんなどうでもいいテーマでこんな長文書いてるんだか(爆)




(*1)参議院議員 田村耕太郎 公式ブログより
http://kotarotamura.net/b/profile/

(*2)参議院議員 田村耕太郎 公式ブログより
http://kotarotamura.net/b/blog/index.php?itemid=3646

(*3)吉岡利固氏のスタンスが判る事実ねつ造社説(取り上げられた韓国のデモは、実際には民衆と警察との衝突で暴動騒ぎ)
http://www.nnn.co.jp/column/ronten/080701.html

(*2)産経ニュース 田村参院議員離党 「県連に何の相談もない」と地元・鳥取県連不快感
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/091218/stt0912181806005-n1.htm

(*5)FACTAオンライン 田村耕太郎インタビュー
http://facta.co.jp/article/201001032.html

(*6)自民・田村氏、離党へ 参院鳥取2期目(記事曰く、最近は周囲に「新党をつくりたい」などと話し・・・ )
http://www.asahi.com/politics/update/1218/TKY200912180245.html

(*7)Tweeterでのタムコーさん発言
http://twitter.com/kotarotamura

(*8)東京新聞 不起訴を機に 幕引き急ぐ 民主 小沢氏、党務精力的に
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2010020602000081.html


posted by FumiHawk at 04:46| Comment(13) | TrackBack(0) | 情報分析 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ネット情報でここまで推定できるとは。情報分析ってのは侮れませんね。ニュースに対して個別に意見言ってる程度ではころっとやられるわけです。
Posted by ネコうよ at 2010年02月09日 05:18
なるほど、たむこー氏がやりたい事とまったく逆であるはずの民主党に行ったことに納得しました。

それにしても、議員個人のバックボーンの洗い出しから情報分析・・・こういう分析や評論ってなかなか無い気がしますね。
Posted by kyokuto_study at 2010年02月09日 05:32
>ネコうよ

評論と分析は違いますので。
ちなみにTV出てる評論家のアレはお座敷芸ですね。
情報なんて分析してナンボなんですが、彼らは自説を披露するのがお仕事ですので、まさに芸。


>kyokuto_study

ほんとは、政党のシンクタンク等がやるべき仕事ですね。
でも日本の政党のシンクタンクは、こういう泥臭くて汚いことはやりませんので、シンクタンクと呼べないです。
お声がかかれば協力しますよ(笑)<自民党様
Posted by @FumiHawk at 2010年02月09日 09:00
これだけの分析ができるのなら、いっそご自分から政党に売り込みに行ってはいかがでしょう?みんなの党などの弱小政党ならば少しは相手にしてくれるかもしれませんよ。
Posted by 導誉 at 2010年02月09日 20:24
興味深い分析でした。
只の権力志向のバカかと思ってた。
Posted by niko at 2010年02月09日 22:53
こんな裏があったとは…
トホホ…まだまだ自分には分析能力が決定的に不足していることに改めて気付かされました。こりゃ自民が甘いと言われても仕方がないorz
Posted by トドえもん♪ at 2010年02月09日 23:47
>導誉

分析がお仕事の一部ですので、売り込みに行くのもありとは思います。


>niko

ちょっと洗って分析するだけで、このくらいの所は推定出来ます。
変な動きを感じたら、「裏があるかも」と思ってみるのがいいと思います。


>トドえもん♪

分析にもっとも必要なのは性格の悪さです(笑)
Posted by @FumiHawk at 2010年02月10日 01:22
すごい!
ほんとにすごい!
「こんな初歩で驚かれても・・・」と言われるかもしれませんがほんとにすごい!

たしかに「この事件、何かおかしい」と感じることはありますがここまで情報を集めたことはないし、分析した事はありません。
(本来ならこのブログから自分なりに更に掘り下げる努力が求められるのでしょうね。)
ぜひもっと多くの人に読んでいただきたいものです。
人気ブログランキングに登録してください!
あっという間に人気ブログですよ。
Posted by 兵庫パパ厳勝 at 2010年02月10日 05:32
>兵庫パパ厳勝

分析するのがお仕事ですから・・・あ、このブログは趣味です。
あんまり知られて、民主あたりの工作員が湧かれても困りものです(笑)
Posted by @FumiHawk at 2010年02月10日 09:19
なるほどそういうことだったんですか。
いやー、地元のことなのに何も知らなくて恥ずかしいです…
すると、今度自民党が公募で擁立したあの人物は大丈夫なのか…
民主党からは坂野さんの娘さんが出るそうですし、次の参院選の鳥取選挙区は面白そうです。
Posted by やまかげ at 2010年02月12日 05:24
>やまかげ

鳥取は錯綜してますね。
まあ、タムコーさんはそこそこ上手く偽装してたので知らなくても仕方ないかと。
岩手県民に比べればどうということは(^^;
Posted by @FumiHawk at 2010年02月12日 07:00
初めまして。
私も鳥取の人間です。
地元ではかなり早い段階から民主党入りするんじゃないかとは言われていました(まぁこんなに早いタイミングとは思っていませんでしたが)が、県外の方が、客観情報だけでここまで分析されている事に驚きました。
非常に勉強になります。

ところで今夜のtwitter、見ていてちょっとワクワクしました。
期待しています♪
Posted by 鳥取の名無し@情熱の借金取り at 2010年02月15日 23:47
>鳥取の名無し@情熱の借金取り

いろいろ暗躍しております(^^;
Posted by @FumiHawk at 2010年02月16日 00:12
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。