2010年02月09日

言えない情報が多い時には裏を読まないと本当の意味は伝わらない -特捜部会見の真意-

※この記事は、アメブロで2010年02月05日 01:15に公開したエントリーの移設です。(http://ameblo.jp/mentalpain/entry-10450982307.html


さてさて、昨日のエントリーで書いたとおり小沢氏は不起訴でした。
昨日の分を読んでいる方にとっては、既定路線ですね。

・・・なのですが、東京地検特捜部の記者会見を見て落胆する人が多いようなので、
その辺をきちんと分析しようかと。

読み終わったあと、特捜部の本気に背筋が寒くなること請け合いですよ(^^;


えっ、小沢氏の記者会見?
あんなの、酔っぱらいの酔ってないと同じで特に見るべきものナシですね。
まあ、自己弁護に終始する+既存の言い訳の使い回しは当たり前ですし。
強いて上げれば、「虚偽記入」と「裏金問題」をわざとすり替えて無実だったと言ってる。
とはいえ、これも想定通り。


まず最初に、昨日のおさらい(今日の話に直接関係する部分)


(A)今回検察が検討をしていたのは政治資金規正法違反に関する部分(最重要)

(B)本件の本命は基本的に「脱税」「収賄」、場合によっては公安マター


以下を読む前に、これを頭に叩き込んでおいてくださいね。

で、こっからが本題。

2/4の18時から東京・霞が関の法務・検察合同庁舎で行われた、東京地検特捜部長の記者会見要旨は以下の通り。
(47ニュース、毎日jp、読売オンラインの元記事からまとめました。)

---ここから---

(1)小沢氏の不起訴理由

収支報告書の虚偽記入は作成・提出の義務がある会計責任者と、
実際にそれを書く事務担当者が中心となる。
それ以外の人を共犯に問うためには、責任者や事務担当者との共謀が必要だ。
(共謀と評価するためには)共犯者の行為を通じて、(小沢氏)自ら犯罪を行う意思が求められる。
だが、それを公判で立証し、有罪にする証拠がなかった。 [47ニュースより]


(2)事件の動機

今回の事件をひと言で言えば、陸山会が2004年10月に東京都世田谷区の土地を買ったが、
その際の購入原資になる収入、(小沢氏に返済した)支出を報告書に記載せず
原資の隠ぺいを図った。[47ニュース]

土地購入の原資を隠すことが目的[読売オンライン]


(3)問題の4億円について

小沢氏にいったん帰属した金を、陸山会に貸し付けている。金の由来が何なのか、
今日の段階では申し上げられない。公判で明らかにする。[47ニュース]

原資が何も分かっていなければ、起訴とならない。
(土地代金の原資となった)4億円は陸山会の前に一度、小沢議員に帰属している。
どういう金かは公判で明らかにする。[読売オンライン]


(4)問題の金にゼネコンからの資金が含まれているか

原資については具体的なコメントは控える。[47ニュース]

(原資に水谷建設からの5000万円が含まれるのか)コメントできない。[毎日jp]

それは言えない[読売オンライン]


(5)原資解明がなければ形式犯として批判されるのでは

原資の実態は公判請求の重要な判断材料だった。[毎日jp]


(6)資金についての小沢氏側の説明について

(原資が個人資産という説明に対しては)否定も肯定もしない。
(小沢氏の説明を認めているかは)必ずしも、そういうことではない。[47ニュース]

(個人資産とする)小沢氏の説明をそのまま認定しているわけではない。[毎日jp]

今日の時点では否定も肯定もしない。必ずしも小沢議員の説明をそのまま認定しているわけではない[読売オンライン]


(7)捜査は終結か

現時点で立件すべきものはすべて処理した。[47ニュース][毎日jp]

具体的なことは念頭にない。現時点で立件すべきものは立件した[読売オンライン]


---ここまで---


怖いですねぇ、特捜部殺る気満々じゃねぇか。
先ほどの(A)(B)を頭に叩き込んでおけば、これほど怖い会見もないですよ。

今回の不起訴は「告発されていた政治資金規正法違反(虚偽記入)」についてのみです。
これは説明するまでもなく不起訴理由を述べた(1)を見れば明らかです。
この発言からは「政治資金規正法違反はザル法なので、共犯による公判の維持は困難」という検察の判断が伺えます。

発言(2)(5)からは「実は、問題の本質は政治資金規正法違反ではない」事が判ります。
政治資金規正法違反だけなら問題は(虚偽記入)ですから、「原資の隠ぺいを図った(2)」事ではなく、隠蔽を共謀したかどうかです。
そこさえ押さえられれば原資の実態はさほど重要じゃない。
でも「原資の実態は公判請求の重要な判断材料(5)」と言っています。
つまり「本来、金の白黒はともかく意図的に虚偽の記載をしたかどうかが重要なのに、その金が白か黒かまで含めて捜査してますよ」と言っていることに他なりません。

さらに発言(3)(5)からは「原資の実態解明はまだ途中であるが、それなりに解明は進んでいる」事が判ります。
「原資の実態は公判請求の重要な判断材料(5)」なのに不起訴と言うことは、原資の実態解明はまだ途中であると言うことです。
しかし「金の由来が何なのか(中略)公判で明らかにする。(3)」と言っているので、それなりに解明が進んでいると推定出来ます、明らかに出来なければ公判維持は難しいので。

発言(6)からは「本命は現在進行形である」事が判ります。
起訴前の案件については情報秘匿の義務があります。
言い換えれば、「起訴後や終わった案件ならある程度話していい」と言うことです。
なので不起訴で既に終わったなら、「否定も肯定もしない」とはなりません。
仮に小沢氏の説明が真実であったなら、含みを持たせると名誉毀損なり信用毀損で訴える余地を作ることになります。
また、他の三人絡みで言えないなら「公判で明らかにする」と言います、てかその前に別の件でそういってますし。

そして最後、発言(4)(7)からは「政治資金規正法違反は終わったが、他はこれからやる」事が判ります。
「現時点で立件すべきもの(7)」、すなわち「告発されていた政治資金規正法違反に関するもの」は全て処理したと言うこと。
全て処理したのに、言えないこと(4)があるのは、さてなぜでしょう(^^;


まとめると

1)政治資金規正法違反については公判維持困難のため不起訴で処理した

2)問題の本質は政治資金規正法違反ではない

3)原資の実態解明はまだ途中であるが、それなりに解明は進んでいる

4)本命は現在進行形である

5)政治資金規正法違反は終わったが、他はこれからやる


ほら、やっぱり特捜部殺る気満々じゃねぇか(爆)
油断せず臨戦態勢なのがよく分ります。

これらの分析は、昨日のエントリーや各種情報と概ね合致します。
完全な正解といくか判りませんが、少なくとも世間で思われてるような「無理筋捜査」だの「検察大敗北」だのと言った事態でないのは間違いないといっても差し支えないでしょう。

なので、もっと特捜部のお尻を叩いて殺る気をさらに上昇させるのが得策です。
ええ、歪みないくらいにお尻を叩くべきでしょう(爆)

というわけで、この会見は見てお通夜になるのではなく、特捜部の殺る気をワクテカしながら正座して見るのが正しい作法と思う所存です(笑)


何度も言いますが、「無色透明な情報なんて無い」「事実は一つでも、真実は見る角度によって違う」のです。
当然「情報には多少の差はあれど発信者の意向が混じる」ものです。

私の分析が100%正しいなどとは言いません。
この分析も含めて情報を複眼的に見て検討する習慣を是非付けて頂きたいものです。



【分析に使用した元データ】

・東京地検特捜部長の記者会見要旨(47ニュース)
http://www.47news.jp/CN/201002/CN2010020401001020.html

・陸山会事件:特捜部長「有罪得る証拠ない」(毎日jp)
http://mainichi.jp/select/today/news/20100205k0000m040082000c.html

・小沢氏不起訴、地検特捜部長の一問一答(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100204-OYT1T01493.htm?from=rss&ref=rssad


posted by FumiHawk at 00:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 情報分析 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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