2010年04月07日
第三極と言う名の甘い幻想 -特定状況でしか成立しない戦略に夢を見る人達-
「新党を真性保守が結集する第三極の勢力にしたい」(中山成彬)
「かくして、私たち年代の者たちにとっての日本という憧れは、その人生の終焉(しゅうえん)と平行して、懐かしい共同幻想として消滅しつつあるのだろうか。それを食い止める唯一の術(すべ)はこれからやってくる夏の国政選挙で、転落していく石を止めるための確固たる第三極を、転落の歴史への拒否として造りだして置くことしかあるまい。」(石原慎太郎)
上記の言を引くまでもなく、平沼新党は「第三極」を標榜しています。
その動きに期待する人が多くいるようですし、一部マスコミも期待を持っているようです。
この『第三極』という思想(もはや思想と言ってもいいと思います)は、過去から多くの知識人を引きつけるようで「三角形外交」だの「バランサー志向」だの名前を変えつつ蔓延しています。
しかし、この「第三極」というものが実は『特定環境でしか成立しえない思想』と言う点がこれらを志向する人達の頭から抜けています。
そして、成立しえないものを追いかける為にパワーバランスを崩す行為は自滅の引き金にしかなりません。
平沼新党についての深い話は後日別のエントリーで行いますが、今回は政界にはびこる「第三極」思想についてここでまとめておきます。
「第三極」とは「二大勢力の間に存在する勢力で、その勢力の動きが全体の流れを左右する」というものです。
いわゆる「キャスティングボートを握る」というものです。
つまりAとBという二大勢力がある場合、第三極であるCは「自分がどちらの勢力に肩入れするかで勢力図が変わる」様な状況です。
この構図が成立するには、次の三つの条件を“必ず”満たす必要があります。
(1)AとBの二大勢力が敵対している
(2)AとBの二大勢力の力が拮抗している
(3)勢力関係で A+C>=B かつ、B+C>=A が成立する
何故これらの条件が必須なのでしょうか?
まず(1)ですが、AとBが友好関係にある場合、共同してCを壊滅させた上で利益を分け合うことが可能ですので、Cは第三極ではなくカモになってしまいます。
(2)は、AとBの力が拮抗していない場合、自陣営の戦力のみで局面をコントロールできるため、両陣営に第三極の陣営と手を組んで事態を打開するという発想が生まれないからです。
そして(3)は、Cが肩入れした陣営が敵陣営を上回るか、せめて完全に拮抗できなければ強い側の陣営にとって「両方ともカモ」でしかないからです。
わかりやすく「ドラえもん」で例えるとすると・・・
前提として、ジャイアンとしずかちゃんは、男の子と女の子の違いもあって若干しずかちゃんが弱いものの実質的に対等な勢力といえます。
スネ夫とのび太はジャイアンより弱く、二人揃ってもジャイアンに勝てません。
そしてジャイアンとしずかちゃんが敵対している時(拮抗する二大勢力が敵対)、のび太くんが二人の間に入った場合、のび太が肩入れした方が優勢になります。
言い換えれば彼には「第三極」としての価値があると言うことです。
これが第三極が成立している状況です。
「バランサー」もしくは「キャスティングボート」という考え方も同様です。
ちなみに「キャスティング“ボート”」で、ボードではないですよ(爆)
しかし、もし対立したのが「ジャイアンとスネ夫」だった場合、のび太くんがスネ夫に肩入れしてもジャイアンにとってまったく影響はありません。
逆にそんなことしたら、二人まとめてジャイアンリサイタルの聴衆にされるのがオチでしょう。
これは一強多弱の状態で、この状況ではのび太くんは「第三極として成立していない」ということになります。
このように、第三極を標榜するには外部環境が「第三極が成立する環境」であることが絶対条件なのです。
翻って先ほどの例えを現在の政治状況に置き換えると、「ジャイアン=民主」(衆参過半数確保)で「スネ夫=自民含む保守勢力」(衆院選以降支持率低下したまま)になります。
この状態で保守側の議員による「のび太=第三極」が出現しても、スネ夫の体力を消耗(保守分裂)するだけでジャイアンにとっては雑魚が増えただけでしかないわけです。
もしこの状態で「第三極」を成立させようとするなら、「ジャイアンを弱らせる=民主支持者を取り込む」しか方法はありません。
しかし実際の平沼新党の成立過程を見ると「弱い側の野党勢力からの分裂」です。
これは「スネ夫が弱って(自民の議員減)のび太くん(新党)が駆けつけた」状態と同じ。
なので新党の志や理念といった中身とはまったく無関係に、民主党にとっては敵の自滅であり、保守派にとっては自殺行為でしかありません。
イデオロギーや思想、志などを全て排除して純粋に「選挙」だけを考えた時、保守系新党は全て「第三極たり得ない」といえます。
もし民主の支持層(労働者)をベースにした労働保守系の新党結成なら大きな意味はありますが、既存の保守層をベースにした保守新党結成と言う行為はどんなに崇高な理念があったとしても、「選挙」という一点だけを考えた場合『利敵行為』といえます。
故に、第三極は甘い幻想でしかないのです。
この記事へのトラックバック
保守勢力が政権再奪還し、売国法案を完全阻止するための前提条件
Excerpt: この議論に入る前に3つの情報をまずインプットいただきたい。
Weblog: 美しい国への旅立ち
Tracked: 2010-04-17 07:23
ミニ政党乱立で選挙協力しないととんでもない結果となります
Excerpt: ミニ政党乱立で選挙協力しないととんでもない結果となります (保守市民はミニ政党に選挙協力を呼びかけよう)
Weblog: 美しい国への旅立ち
Tracked: 2010-04-22 11:25



平沼氏には崇高な理念はあるものの、自分の足元を見るばかりに、相手側(民主党&中国、朝鮮)がどれほど諜報工作に長けているか、見誤っているように見受けられる。
私達も騙されてはいけません、
よく見張らないと・・・
日本人は超、超、お人好しなので、疑り深過ぎるくらいでちょうど良い。
たちあがれと言うならば、自らが先頭に立って行動してもらわないとね。
行動の速さと正確さで、示してもらわないと墓標になっちゃうよ。
保守系のことは、内情をご存じのようなのでネタにしやすいのでしょうが、味方の弱点?の指摘は、敵に攻撃の仕方を教えてやっているのと同じではありませんか?(私なら自粛します。)
参議院選挙まで100日を切りましたので
戦略上は、
味方をいかに勢力拡大させパワーアップさせるか
売国議員をいかに落選させるか
民主の切り崩し作戦をいかに成功させるか
などをテーマの中心とされることを期待します。
ドラえもんに例えてくれてありがとう。
意味のないのはなんとなくわかってましたが。
そういえば最近安倍さんも暴走してますよねw
あまりにも民主の国財の食い散らかし、
かつ、特亜への大盤振る舞いの拡散スピードに旧来利権につらなる古い面々が震えあがって一致団結したようにしか見えない平沼新党。
そうであろうとなかろうと、ますます有権者をしらけさせてしまい、結果まれにみる低投票率を招くだけの存在として沈みそうである
平沼さんは平沼グループという言い方ではなく、絶対に衆院選前に新党を立ち上げるべきだったんだと思う。
自民がなぜだめなのか、を民主のこっちの水は甘いぞという言いくるめに対して保守という観点から明快にあの時に非難してくれたら、おQ層もああも付和雷同しなかったように思う。
タイミングから何からとても残念だ。
これは間違いですね。「ジャイアン」も「スネ夫」も自身に力がある訳ではなく、デキ杉君を含むクラスメートがどっちに加担するか?で決まります。
現在は「ジャイアン」も「スネ夫」も味方の数が拮抗しているので、味方を引き連れて加担した方が勝利します。
この結論付けは非常に残念でなりません。(折角「面白いブログを見つけた!」と思ったのに)
なんで最低でも、先にある衆院選まで見越した分析にならないのか?不思議でならない・・・わざとか?
管理人様 別件ですが質問です。上記、ご覧下さい。事実ですか。事実だったら、恐ろしいです。いかがでしょうか。