このレポート、同名のレポートを3本書いているのですが(11/18版、12/5版、12/14版があります)なのですが、このレポートでは農業以外の影響を中心に日本への影響をまとめました。
というのも、不利益を被る人数が農業以外の方が圧倒的に多く、利益を得られる人が想定よりもずっと少ない事が、TPPのメインアグリーメント(現在当ブログで公開中)を読み進めていくうちにハッキリしてきたからです。
そこで、著者の廣宮さんと相談の上、急遽本としてまとめることになりました。
前述のレポートは、一部の国会議員の方へは既に資料としてお出ししております。
また、議論しようにも叩き台すらないことを憂慮し、翻訳文も同様に資料としてお出ししております。
TPP本発売前に、各方面への資料提出を快く承諾して下さった扶桑社様には大変感謝しております。
ネット上ではTPPが「米国の・・・」とか「農業の・・・」とか「医療の・・・」と言った議論が主流ですが、関係ないと思っているサラリーマンの皆さんが、実は人数的には最大の犠牲者になると想定されます。
また、TPPを米国の陰謀等と言った視点で語ることは、本質を見失うことになり大変危険です。
米国が覇権を狙っていることは確かですし、そうしなければならない経済事情もあります。(米国に時間がない経済事情については「TPPが日本を壊す」の中で触れています)
しかし、TPPはそのために作られたものではなく、米国としてはたまたま目の前に「便利そうなツールとしてTPPがあったから利用している」だけです。
TPPが無ければ別の手段を講じるだけだから、TPPとの直接的な関連性は極めて薄いといえます。
そして、TPPと米国の思惑を直接的に結びつける議論は、米国の真の思惑を隠すことになりかねません。彼らはもっとしたたかですから。
このような議論はTPP議論の枠を狭めます。
そのことは日本にとって決して良い結果を生み出さないと思うのです。
農業や医療についてもそうです。
農業や医療が危機であることは間違い有りませんし、その事については「TPPが日本を壊す」の中でも触れています。
しかし農業や医療のことだけを声高に叫べば叫ぶほど、農業から遠いサラリーマン等の多くは他人事のように感じてしまうのです。
今はTPPが多くの人にとって不利益になる事を知らしめるべきで、業種や地域の垣根を越えた認識の共有が必要とされています。
TPPとはなにかをあきらかにし、特定業種だけの問題ではなく、外国の思惑でもなく、TPPが日本の根幹にどれだけ影響するかを理解して頂きたく、私訳の公開を順次行っております。
読者の皆様におかれましては、農業や医療の枠を超えた出来るだけ広い分野の方々にこの実態を知らせていただければ幸いです。
TPPは、まさに日本人の『食』と『職』が崩壊の危機にさらされています。
詳しくは後日発売の書籍『TPPが日本を壊す』にゆずりますが、書籍や当ブログが、深く広く、そして冷静な議論の叩き台にとなればと願っております。
ラベル:TPP
TPPに反対のようですが、TPPに反対、それとも米国が関わっていることに反対なんですか?
アメリカ以外となら関税を撤廃すべきだと思ってます?